第5章 competition
ー龍也sideー
俺は結婚願望というものがまるでない。
それはレオナも同じらしい。
それから俺らの共通点はまだある。
俺もレオナも、
この仕事を始めてから恋人は一切いない。
作りたいとも思わないし、作ってはいけないと思っている。
別に性欲なんてどうにでもなるし、
恋人なんかいたら仕事に支障が出かねない上に、単純にとてもめんどくさくなる事が目に見えている。
セフレとか割り切った関係ならまだしも、
恋人などという関係になってしまったら、どうやって相手を満たし、傷つけずに関係を良好に築けるか…
まるでわからないし自信が無いわけじゃないけど、普通に無理だと思っている。
客をそんな対象としても見ないから、
いくら恋をされてもこちらが恋をすることは絶対にない。