第3章 promise
しばらく2人で沈黙して、1本吸い終わる頃、
龍ちゃんが灰皿にタバコを押し付けながら言った。
「ねぇ、じゃあこうしないか?」
「ん?」
「どちらか一方が、もう本気で限界ってなったら、
全てを捨てて、どこか2人で遠くへ行く。」
「……道連れってこと?」
「そうだね。」
私はゆっくりと灰皿にタバコを押し付けた。
そして彼に向き直る。
「いいよ。じゃあ、合言葉は"限界" ね。」
龍ちゃんはニッと白い歯を見せた。
「おーけー。約束ね。覚悟の約束…だよ。」
そう言って差し出してくる小指に自分の小指を絡めた。
その時になったら私たちは…
覚悟を決めて全てを投げ出す。
どちらかが、「限界」と一言発するまで、
きっと私たちはカゲロウのように羽を散らし続けるのだろう。