第3章 promise
しばらく行くと、レオナが突然立ち止まった。
「ん?どうしたの?」
「……なんでこっち…なの…」
「…へ?だって俺のマンションこっちだから」
「………。」
また歩き出した。
…なんなんだよ。
意味わかんないなぁ。
そして到着したマンションの前でまたレオナは立ち止まった。
今度はなんだ?
やっぱり男の部屋に入るの怖気付いたかな。
でも名の知れたこの俺なんだからそんなこと気にしなくても…
そう思いながら何かを言おうと口を開きかけた時、レオナが真顔のまま冷淡な声を出した。
「ここ、私のマンション。
なんで知ってんの?」
「…は?…いや、
俺のマンションに連れてきたつもりなんだけど?」
「でも私のマンション…」
ここで初めて知ることとなった。
互いのマンションが同じだったことを。
彼女は42階らしい。
こんなことってあるんだな。
なんで今まで気付かなかったんだろう?
でも考えてみたら、
俺がここへ越してきたのって3ヶ月前で結構最近のことだから?かも。
とりあえず、「マジかよー凄い偶然だね。」とか言いながら俺は40階の自分の部屋にレオナを入れた。