第3章 promise
ー龍也sideー
レオナとの初対面から1週間後、
俺はアフター終わりに専用の送迎車で女を送り届けてから、着信が鳴っていることに気がついた。
知らない番号だ。
今日来た客の誰かだな。
そう思った。
「ごめん佐々木。そこのコンビニ寄っていいー?」
「あ、了解です。」
単純にコンビニに寄りたかったから、車を降りてから電話に出た。
「もしもーし。龍也ですっ」
«・・・»
「ん?…あれ?もしもーし??」
向こうは無言だ。
えー?勘弁してくれよ。いたずら電話?
間違い電話?こんな時間に?
それともまたストーカーか?
それとも嫌がらせ的なやつ?
えええー!また番号変えなきゃなの??
ジッと耳を済ませると、
電話の向こうでは風の吹く音がする。
電波がおかしい訳では無いみたいだな…
「もしもし?…誰かな?もう切っていいー?」
«……私…»
「…ん?私?って誰?」
ウケるな。
私とか言われてもどの女か分からんよ。
「ごめんね。名前を教えてくれるかな?」
僕はとっても優しく諭すような甘い声色で言った。