第11章 hesitation ■
「… レオナ…… レオナ…」
夢の中で何度も呼ばれた気がして…
目が覚めた。
「…おはよ、レオナ。
って言ってもまだ朝の7時だけど。」
視界の中に、バスローブ姿の龍ちゃんが映る。
「んぁ……なら起こさないでよ…
帰ったんだね…」
「うん。いまさっきね。今シャワー浴びたとこ。
起こしてごめんね」
どことなく、いつもの龍也の表情では無い気がした。
どこか、辛そうな。
寂しげな。切羽詰まったみたいな。
複雑な表情をしていて
笑顔はまるでない。
「……お疲れ様。大丈夫?
なんか顔色よくないよ?」
私は寝起きの掠れた声で言った。
「……ん。大丈夫じゃ…ないかも…」
「え?」
そんな弱音みたいな言葉が彼から出たのは初めてで目を丸くする。
「え、どっ、どうし」
噛み付くように唇を塞がれた。
え???
口内に舌が入り込んできて、
何度も角度を変えてかなり荒々しく掻き回される。
「ちょっ…んんっ…やっ…りゅっ……」
抵抗しようと動かした手首を掴まれ、
ベッドに縫い付けられた。
「んっ…ぃぁ…っ…まっ…んんっ」
荒い息遣いが彼から漏れる。
こんなに乱暴っぽくて
切羽詰まったような龍ちゃんは初めてだ。
ただただ頭が混乱した。