第1章 desire
ー龍也sideー
「おやすみ、女王様」
「おやすみ、王様」
いつものセリフを吐きながらいつも通り一定の距離をあけて瞼を閉じた。
最近思うんだけど、
初めて会った時のレオナとは随分印象が変わった。
だって初めて見た時は、あまり愛想がなくて
話しても、仏頂面で相当お疲れなのか?不機嫌なのか?生気が抜けてんのか?みたいな感じに思えた。
ていうか、この俺を前にしてそんな女って初めてすぎて正直少しビビったし、普通に不思議で。
でもあの噂に聞く、アメリア店のNo.1 レオナだから?まぁいろんな意味で納得はした。
別に接客を受けに来たわけではないんだろうと思ったし、同業者ならば見ている視点は違うだろうと。
実際そうだったし。
で、いつの間にか俺らのこの状況。
冷静になって考えると、まじで信じられないし奇妙すぎる。
まさかこんなことになるなんて、
その時はお互い微塵も思わなかったよね。