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夜街の陽炎 ~No.1の男女の恋~

第7章 situation


ーレオナsideー


目覚めて驚愕した。


どうみてもここは龍ちゃんの部屋だし、
龍ちゃんが隣ですやすや眠っている。


「ちょっ…龍ちゃん!龍ちゃん!…龍!!」

「ん…あ…ぁ?」

「どうなってんの?
私……え?…いつのまにここに?」

「うあー…やぱなんも覚えてないんだねー」


龍ちゃんは眠そうな目をこすりながらかすれた声で教えてくれた。



「え!あの子に…やっちゃんに…
知られちゃったの?!」


マンションが同じことも、
私たちが仲良いことも…?!



「別にそこまで仲良い的なことは言ってないよ?
しかもこないだも店で俺の事見たらしいし、問題ないっしょ」


「……そっ、か…」


「風呂ためてあるよ?入ってくれば?」


「…いい…部屋戻る…」


「待てよ」


ベッドに寝たままの龍ちゃんに腕を掴まれる。
寝癖のついた髪だが、表情は思いのほか真剣で驚く。


「まだ酒抜けてねぇかもだから、風呂ん中で倒れるかもよ?
うちで入ってけ。つーか、酔い完全に覚めるまでここいろ。」


いつもの呑気で甘い感じとは別人のように、厳しい口調でピシャリと言い放った。
彼はたまにこういうところがある。


「……心配してくれてるんだ?」


「当たり前だろ?そもそも、レオナから全く連絡なくて超焦ってたんだから、俺。」


その言葉に少し嬉しさを感じてしまった。
別にやっちゃんにそのまま任せても良かったものを、わざわざ引き受けてくれたなんて、申し訳なさも恥ずかしさもあるが、やはり少し嬉しかった。

誰にも醜態を晒したくない。誰にも心配かけたくないなんて思っておきながら、なぜかこの男だけはこんな感情が湧いてしまう。
妙だ。私らしくない。
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