第6章 blunder
私はその日、失態を犯してしまった。
接客中はもともとあまり酒を飲まないようにしているのだが、とても久しぶりに来てくれたお客様のお誕生日だったため盛り上がってしまい、かつ一気飲み勝負に負けてしまったりでかなり具合が悪くなってしまった。
なんとか閉店までは頑張ったものの、終わった瞬間にはその場に崩れてしまった。
「ちょ?!レオナさん大丈夫ですか?!」
すかさずやっちゃんが体を支えてくれた。
「ん…ぅ…ごめ、大丈夫。行かなきゃ…」
「いやそんな状態でアフターなんて無茶ですよ!
やめといた方がいいです!!」
「大丈夫…じきに覚める…」
「だめですって。ちゃんと僕からお客様には言っておきます。金森様ですよね。」
「ん……」
やっちゃんは即座に言いに行ってしまった。
あ〜あ…
最悪だ…
久々に吐きそ…
私は清掃と片付け中の店内のソファに腰かけて目を閉じた。
女の子たちやボーイたちが心配して声をかけてきたが、意識が朦朧としていてそれどころではなく、たちまち意識を手放してしまった。