第2章 だいたい七年後
「いえ!本当に突然声かけてすみません!」
「いや、いいけど」
こんな風に突然声を掛けてしまった私に
そう言ってくれる。
やっぱり優しい。
そんなことを思っていると、
一緒に来ていたお友達に岩泉先輩が呼ばれる。
「………あの!今日はご来店ありがとうございました!
よかったらまた飲みに来てください!」
「………あぁ。美味かったしまた来るわ。
じゃ、ごちそうさまでした」
「ありがとうございました!」
深々と頭を下げる私に
少し頭を下げながら、会釈までしてくれた。
岩泉先輩たちが出て行ったことを確認して
思わず崩れ込むようにその場にしゃがみこんだ。
「………はぁ。なんてことを」
両手で顔を覆いながら、思わずこぼれる。
「え、なんですか?どうしたんですか?」
バッシングから戻ってきた後輩に見つかってしまった。
「いや、若い男の人4人組いたじゃん?」
「あーーー、はい!」
「で、その中の一人が中学校の先輩で、」
「え?!好きだった人とか?!」
まだ何も言ってないのに、早々に言い当てられる。
「………おっしゃる通りです」
「えーーーー!まじですか!え、どの人ですか?!」
「左側の手前に座ってた人」