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【ハイキュー】初恋【岩泉一】

第2章 だいたい七年後


週末のガヤガヤとしたザワつきはなく

わりと静かな店内。




平日はこうやってお客さんも程よい感じだから、

バイト先の居酒屋では


基本的に平日のホールは二人




今のお客さんは4組





そのうちのひと組のお客さんにお会計に呼ばれて




そして今、私の目の前にいるのは


たぶん、岩泉先輩。





何がどういうことなのかというと、


たまたま、そして単純に

岩泉先輩が私のバイト先に飲みに来た。





友達らしき人たちと4人組のグループ




席に通したのは後輩で、



「なんかカッコよさげな集団でした!」っていう言葉から


オーダー私が取りに行く~!なんて

いつものふざけた調子で個室の暖簾をくぐると




いちばん手前にいた、注文を伝えてくれた人




あれ?って思って、そのあと料理を運んだ時に聞こえてきた


「岩泉」っていう苗字と、そして

一番手前にいたその人が返事をして、ほぼ確信。





岩泉先輩と初めて話したのは

もう6年前?もうちょっと?



………まさかこんなところで会話をするとは。





だけど、どうしよう



岩泉先輩だ。





ただ、だからといってどうこうできるわけもなく

いつも通りバイトをこなす。



バイト用の笑顔を張り付けて

オーダーを取り、お料理と飲み物を運んで。




ただ、バイトをはじめて以来

初めて、どうしようもなく心臓がバクバクと音を立て続けていた。





そして今、目の前にお会計中の岩泉先輩。







………どうしよう。





いやどうするも何も。



ただ、久しぶりに見た岩泉先輩は

相変わらずカッコいい。




どうしよう。




話し、かける?





………いや、無理無理無理。


無理だ。ウン、無理。





「じゃ。ごちそうさまでした」





居酒屋のバイトの私にそう声をかけてくれて





「あの………!」





思わず、声を発してしまっていた。





「はい?」





やばい、どうすんだ私。





「あ、えーーーーーっと………」





ただ、もう声を掛けてしまったんだ。



私の取り柄は前向きなところ





「あの、岩泉さん………ですか?」
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