第10章 初めてばっかりの日
岩泉先輩と付き合い始めて
だいたい2週間
私は相変わらずほぼ毎日バイトだし
先輩も週末を中心にジムでバイト。
基本的にバイトは時間帯が違うことが多い。
そしてだいたい私の方が終わるのは遅い。
だけど、だから?
あれから私のバイトの終わる時間にあわせて
お迎えに来てくれる。
そして家まで、送っていってくれる。
すごく、嬉しい。
駅を出て当たり前のように
私の家の方向に二人で歩き出す。
深夜の住宅街は私たちの貸切で
二人だけで歩けるこの特別な時間が大好き。
………いや、岩泉先輩と一緒なら
全てが特別ではあるんだけど。
「てか土曜のバイト遅出になった」
「あ、そうなんですか」
週末、先輩はだいたい日中にバイト
「は?バイトだよな?」
「はい!」
「昼間、なんか予定ある?」
「バイトまでは特にないです」
………この感じ
え、どうしよう。
ヤバい。期待してしまう。
「じゃあさ、デート?するべ」