第7章 帰り道
冷たい空気を、
岩泉先輩にはバレないように
だけど目いっぱい私の中に吸い込む。
しんと冷えた 冷たい空気は
私の胸を、苦しくする。
「本当は、ずっと
先輩のこと、好きでした」
………ついに言ってしまった。
卒業式の日、言えなかった言葉
本当は "好きです" って
この言葉を準備していた。
だけど、いざ岩泉先輩を目の前にすると、
とうとう最後まで
その言葉は伝えられなかった。
だけど「これからも応援しています」と伝えることができ、
なんなら第二ボタンまでもらってしまい。
準備していた、すべての言葉を
伝えることはできなかったけど、
それでも、後悔なんかしていなかったし
その時間とボタンはやっぱり
キラキラとした宝物だった。
だけど、やっぱり
ずーーーっと。
伝えたいなと思っていた言葉。