第7章 帰り道
帰り道も最近の出来事なんかを話しながら歩く
というか、基本的に私が話してる。
岩泉先輩は思っていた通り、
そこまで口数は多くないらしい。
ただ、全然しゃべらないわけじゃなくて
私が話してる時間が多い、という感じ。
なんだけど
なんだか今日は、いつも以上に私が話してる
気がする。
けど
………まぁいいや。
家の手前の角
「ありがとうございました!
もうそこなんで!ここで大丈夫です!」
「おう」
「なんか今日特に私ばっかり話してましたね!
いつもすみません!」
「いや」
その一言が本心かどうかはわからないけど
たぶん、嘘が多い人ではないと、思う。
「じゃ!本当にありがとうございました!
帰り気をつけてくださいね!」
「…………あのさ、」
「はい?」
手を振って、歩き出そうとしてたけど
岩泉先輩の声に足を出すのをやめる。
「って、彼氏とか。いる、のか?」
「え?」