第1章 プロローグ
そんな中、中学2年生の時
友達に誘われて、というか付き添いで。
男子バレー部の試合を見に行った。
友達の目的は及川先輩
背が高くてかっこいい先輩で
みんながキャーキャー言っていたから知っている。
その及川先輩の試合を見に行きたいからついてきて、と。
バレーはよくわからなかったけど、
スポーツ観戦は好きだったから付き添いを了承して
そして、そこで初めて
岩泉先輩を知った。
カッコよかった
ものすごく、カッコよくて
初めて
"胸が締めつけられる"
とか
"ギュッとなる"
っていう
漫画やドラマでよくみる、
だけど、漫画やドラマの世界だけのものだと思っていた
ソレを体験した。
それからは今まで以上に学校が楽しくなった。
岩泉先輩は私のことなんか知らない。
だけど、それでよかったし
それがよくて。
岩泉先輩と及川先輩は基本的にセット
だから、私をバレーに誘ってくれた友達と、
移動教室の先輩たちをこっそり見ては
それだけで二人で
「今日もかっこいいね!」って
ほとんど毎日キャーキャー言ってたし、
体育館の部活を見ることはできなかったけど、
外練でグラウンドを走る先輩を
校舎からからこっそり眺めることができる月曜日は、大好きだった。
好きって何かは、やっぱりまだ
よくわからなかったけど、
でも、たぶん
これが恋なんだと思った。
恋ってこんなに楽しいんだ。
って。
中学3年間楽しかったけど
岩泉先輩に恋をしていた2年生が
やっぱり一番楽しかった。
先輩の卒業式
岩泉先輩と仲がいい先輩と付き合っている友達にお願いして
岩泉先輩を呼んでもらった。