第1章 プロローグ
中学2年生の頃、好きな人がいた。
というか、
初めて誰かを好きだと思った。
まわりの友達は小学生の頃から
「○○くんが好き」とか言っていたけど、
友達は友達だし、
そういうのはよくわからなかった。
中学校に入学すると、3年生はものすごく大人に見えた。
だからやっぱり周りは
「○○先輩がかっこいい!」とか
そういう話題で持ちきりだったし、
それこそ付き合ったりする子もいたんだけど、
それでもやっぱり「かっこいい」とは思っても
それは芸能人なんかを思う気持ちと一緒だし
そもそも特定の好きな芸能人、
今でいうところの "推し" もいなかったから
やっぱりそれはまわりに比べると
ものすごくふんわりとしたものだったと思う。