第5章 連絡
「え?!どういうことですか?!」
意味わかんない!って言われたから
連絡先を渡した理由を説明する。
「だったんだけど、今見たら、連絡来てた」
「えーーー!やったじゃないですかぁ!」
「いや、うん。嬉しい気持ちもあるんだけど
だけど、どうやって諦めよう………」
「なんで諦めないといけないんですか?」
ものすごくキョトンとされた顔
「え、だってこれ以上好きになっても辛いだけじゃん」
岩泉先輩を好きになれたことは嬉しい。
だけど、これ以上は好きになりたくない。
これ以上好きになってしまった時
私はどうなるの?
「なんでですか?付き合えるかもしれないじゃないですか!
てか岩泉さん、その気あると思いますよ?
じゃないとこんなに来てくれませんよ~!」
もし、そうだったら。
そうだったら、どれだけ嬉しいことなんだろう。
だけど、そうじゃなかったら?
それは、どれだけ辛いんだろう。
「そうだといいけど。
だけどそうじゃなかった時のために、あんまり期待しないでおく」
「うーーーーん」
後輩は納得してないようだったけど
そんなの知らない。
私は私を守るために行動するし、
私を守ることができるのは、私しかいないし。
「とりあえず返信したんですか?!」
「あ、まだ」
「そこは返しておかないと!先輩ですよ!」
………せっかくこうやって送ってくれたんだ。
【今日もご来店ありがとうございました!
またお待ちしています!】
今日で最後と思ってた。
だけど、こうやって連絡をくれたから。
"また来てくださいね" って
"また会いたいです" って
………会いたいです、だなんて
口が裂けても言えないけど。
でも、そう思っても
今日だけは許されるよね?