第5章 大人の事情※
「必要なハナシ……」
「悩んでた事は解決しなかった?」
なるほど……?そして思い当たる。
なぜひたすら何かを言うまで
ずっと博士に煽られていたのか。
そりゃ、確かにポケモンとの子供の話
なんて追い詰められでもしなければ
けして口には出さなかっただろう。
「君は僕に似てるから気に入ってるんだ。
必要な話だったろう?
原因と解決法と、信頼に値する弱味と」
「博士の話は弱味ではないのでは……」
「ええ、けっこうな話だと思うけどなあ!
まあとにかく、また何かあったら
遠慮なく言ってほしいなぁ。
言わないとまたコチラから行くからね!」
「いやな脅しですね!」
つくづく敵に回したくない男である。
のんびりした風貌に似つかわしくない
影のある野望を聞いてしまった。
博士への見方も大きく変わった。