第1章 The summer vacation ~Charlie~
「あー……俺はもう駄目だ……」
「あれ?チャーリー、どうしたの?」
その夜、台所のテーブルてうだうだしてると、先ほど我が家に到着したばかりのハリーが話しかけてきた。
俺は説明する気も失せており、傍にいたロンが代わりにごにょごにょ説明した。
それを聞いて納得したのか、ハリーはご愁傷様と言うような表情を浮かべた。
「まあ、あれだよ。時間がたてばクリスも忘れるだろうし……多分」
「それって、忘れるまでずっとガレージに籠ってるって事だろう?駄目じゃないかー!!」
折角の夏休みだというのに、不健全にガレージに籠ってマグルの雑誌を漁る毎日――そんなの楽しいはずがない!
折角我が家に来たんだ。せめて何か、何か思い出に残る事をしてやりたい!俺はすがる気持ちでハリーに頭を下げた。
「頼む、ハリー!一緒に考えてくれ!クリスが喜ぶものって何だと思う!?」
「クリスが喜ぶもの?う~ん、そうだな……あっ、そうだ!」
【Mission3】
コンコン――。と、俺はクリスとハーマイオニーが泊っている部屋の扉――ではなく『窓』を叩いた。
そう、ハリーの考えた作戦は、箒に乗って一緒に夜空を散歩しようというものだった。窓の外にいる俺を見て、最初はハーマイオニーが慌てて窓を開けた。
「チャーリー!?こんな時間にどうしたの!?」
「シーッ!ママに聞こえちゃう。クリス、ちょっと良いかな?あ、何か羽織るもの持っておいで。夏でも外は寒いから」
「は?はあ?」
「いいから、いいから、早く!」
良く事態が呑み込めない様子だったが、急かされるがまま、クリスは上着を羽織って窓辺に来た。
とにかく急がないとママにバレて大目玉をくらう。クリスを箒の後ろに乗せると、俺は落とさない様に気を付けつつ、大きく旋回しながら上昇した。
「クリス!上を見てごらん!!」
「上?……あっ、うわぁ!」