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ハリー・ポッターと夢幻の探究者

第7章 【魔法薬学での発見】


 正直言って、あのハリーに出し抜かれるとは思っていなかったから、これは結構ショックが大きかった。
 別にフェリックス・フェリシスは貰えなくてもいが、今まで『魔法薬学』の成績はハーマイオニーに次いで2番目だったと自負している。
 それなのに『あの』ハリーに負けた。これはクリスのプライドを傷つけた。

 クリスは必死になってミスはないかと、もう1度自分の工程を確かめ、作業を続けたが、結局授業が終わるまでに紫色の液体が、淡いピンク色になることはなかった。

「さてさて……おー!これは素晴らしい!!正直ここまで出来る生徒がいるとは思わなかった。ハリー、君は母親と同じく『魔法薬学』の才能の持ち主だ!!さあ、これを受け取りたまえ!」

 ハリーは得意げな顔を隠すため、やや下を向いてフェリックス・フェリシスの小瓶を受け取っていたが、教室を出ると満面の笑みを隠そうともしなかった。
 クリスはフェリックス・フェリシスが手に入らなかったことより、ハリーに調合で負けたことの方が納得できず、とうとう夕食の席でハリーに問い詰めた。

「ハリー、正直に話せ。『魔法薬学』の時間どんな魔法を使った?」
「それ、私も聞きたいわ」
「……まあね、良いよ。どうせ聞かれると思ってたし。実はスラグホーン先生から借りた教科書に、メモ書きがびっしり書いてあったんだ。それに従っただけ」

 ほら、と言いながらハリーは古い『魔法薬学』の教科書を開いた。そこには行間にびっしりと手書きのメモが書かれていた。
 あまりにも字が細かい上に汚くて、クリスには解読不能だった。誰が書いたのか知らないが、よくもまあここまでびっしり書いたものだ。
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