第1章 The summer vacation ~Charlie~
「えっ!?クリスをクィディッチに誘ったぁ!?」
「ああ、少しでも元気を出してもらおうと思って……」
仲の良いロンにアドバイスを貰おうと、俺が一部始終を話すと、ロンが驚きを通りこして怖いもの知らずだと言いたげな顔をしていた。
「駄目だよチャーリー。クリスは大のクィディッチ嫌いなんだから」
「……ク、クィディッチが嫌いな人なんているのか?」
まさに青天の霹靂。俺の短い人生の中で、クィディッチが嫌いな人間なんて見た事がなかった。
しかし、そうなると何か別の手を考えなくてはならない。
何かクリスが好きなもの……女の子が好きなもの……全っ然分からない!
情けない事に、俺には女性と付き合った経験がない。
学生時代は勉強とクィディッチに全てをかけていたし、仕事に就いてからはドラゴンに夢中で、女性を口説こうなんて思ったこともない。
一応女友達はいるが、それだって皆、友達どまりだ。
「俺って、駄目なヤツ……」
「どうしたの、チャーリー?」
ため息をついていると、末っ子のジニーが心配そうに話しかけてきた。――そうだ!うちには同じ年頃の女の子、ジニーがいるじゃないか!
俺は早速ジニーに女の子が貰って嬉しいものを聞いてみた。
「女の子が貰って嬉しいもの?そうねぇ……月並みだけどやっぱりアクセサリーとか、お花とか。とにかく女の子は可愛いものや綺麗なものが好きだと思うわ」
「そうか!ありがとうジニー!!」
それを聞くや否や、俺は姿現しでダイアゴン横丁へと飛んだ。