第1章 The summer vacation ~Charlie~
【Mission1】
色々考えたが、まずこのガラクタだらけのガレージから外に出てもらわなくては。
健全な精神は健全な肉体に宿るという言葉から、俺はクリスをクィディッチに誘ってみることにした。
「やっ、やあクリス!」
「……ん?」
「これからロン達と一緒にクィディッチをしようって話していたんだ。君もどう?」
「結構だ」
クリスは古びた雑誌から目をそらそうともせず、きっぱり断った。取り付く島もない勢いだったが、ここでめげてなんていられない。
これでもクィディッチチームの元キャプテン。クィディッチの腕前には自信があるし、なによりクィディッチの楽しさを誰よりも知っている。
ここはどうにかして、クリスに関心を持ってもらわなくては!そう思った俺は、熱を入れて説得を試みた。
「そんな事言わずに!クィディッチは楽しいよ!なんなら、俺の箒を貸してあげるよ。去年給料をはたいて買ったから、それなりに性能も良いし!」
「いい……」
「でも、こんなガレージに籠ってばかりだと、体に悪いよ。こんな良い天気なんだし、少しは外に出てクィディッチで汗をかくって言うのはどうかな?きっと楽しいよ!!」
「……さい」
「え?」
クリスは読んでいた雑誌をバシッと閉じると、親の仇を見るような眼で俺を睨んだ。
「うるさい、私は好きでここに居るんだ。分かったら二度とクィディッチの話をするな!」
【Mission1――失敗】