第1章 The summer vacation ~Charlie~
俺の名前はチャーリー・ウィーズリー(23)
俺は今、非常に悩んでいる――。
【The summer vacation ――with Charlie――】
――と、言うのも我が家に居候しているクリス・グレインと言う女の子の事だ。
不死鳥の騎士団の団員として、以前から彼女の事は知っていた。だが実際に会ってみて、俺はより一層彼女の境遇に同情してしまった。
彼女はなんとあの『例のあの人』の実子だというのだ。しかも長年その事を知らされず、養父の元で暮らしてきたのだが……。
2年前の『例のあの人』の復活の夜、養父は彼女をかばって死んでしまったのだ。それも彼女の目の前で――。
それだけでも可哀そうだというのに、母親は彼女を産んですぐに他界しており、わずか16歳にして天涯孤独の身となった。
幸い、弟のロンと友達だった為、身寄りのない彼女は仕方なく我が家に来たらしいが……。
きっと心の傷が深いのだろう。クリスは日がな一日、父さんが集めたガラクタだらけのガレージで古いマグルの雑誌を読んで過ごしている。
一応食事時には食卓に顔を見せるが、それ以外はほとんどを誰とも会話することなく、一人孤独にガレージで過ごしている。
このままではいけない!
何とかして、クリスの笑顔を取り戻さなくては!――こうして、俺の【クリスに笑ってもらおう計画】が始まった。