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ハリー・ポッターと夢幻の探究者

第19章 【恋人たち】


 そしていよいよ試合が間近に迫ると、ハリー達の熱は最高潮にまで達していた。
 ハリー曰く、グリフィンドールがレイブンクローに300点差で勝てば、グリフィンドールが優勝するらしい。だが、もし100点差で負ければ、ハッフルパフに次いで3位になるらしい。もっと言うと――と、長ったらしい説明が続いたので、クリスは「よし分かった頑張れ」の一言で切り上げさせた。

 まあハリーへの対応はそれで良かったが、問題はロンだった。
 ロンは前哨戦ともいえる、互いの寮の嫌がらせ合戦にいつも胃をキリキリさせていた。
 この日も、ロンは移動教室の際にレイブンクローの7年生から罵声を浴びせられ、顔を青くしてトイレに駆け込んだ。その後に、心配そうな顔をしたハーマイオニーが続く。

 ロンが毒を飲まされてからというもの、ハーマイオニーはとても素直で、見ているこっちの方がムズムズするくらいだった。

「……クリス、顔。緩んでるよ」
「仕方がないだろう?今のあの2人を見ていると、色々と感慨深くなってしまって……」
「君ってホントよく分かんないよね。恋愛に対してドライっぽいのに、相手によっては変に態度が偏ってるし」
「どういうことだ?」
「ルーピン先生に対してはいっつも真っ赤になってるのに、シリウスにキスされても動じなかったり。かと思えば人の恋路を見てニヤニヤしたり」
「本気と本気じゃない恋を見極めているだけさ」

 クリスが知った風な口をきくと、ハリーは「偉そうに」と言って笑った。
 そんな事を言いながらロンたちを待っていたが、中々出てこないので、何かを察したクリスとハリーは気を利かせて先に大広間に行くことにした。

 最近ではロンが頻繁にトイレに駆け込む所為もあって、こうして2人で行動することも少なくなかった。
 大広間に向かって歩いている間、クリスは口には出さなかったが、ロンとハーマイオニーが何をしているのか想像しないではいられなかった。

「なあハリー、ちょっと……ちょっとだけ」
「クリス、プライバシーって言葉知ってる?」

 しかし、いつ誘ってもハリーはこの2人に必要以上に介入しようとしなかった。まあ確かに以前クィディッチの為に2人の仲を利用して、大変なことをした前科があるから、しない方が良いと言えば良いのだが……だが、それはそれ、これはこれ。
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