第13章 【クソったれクリスマス】
「それじゃあ、次はハリーの話を聞こうか」
「はい、実はその……スネイプについてなんですけど……」
「スネイプだって?」
スネイプの名前を聞いた途端、シリウスが苛立った声を出した。ルーピン先生がたしなめる様に声をかけると、シリウスはそれに反抗するようにそっぽを向いた。
「それで、セブルスがどうかしたのかい?」
「僕、聞いたんです、マルフォイとスネイプが話しているのを。マルフォイの計画が上手くいっていないのを知って、自分がそれを手助けするって。そうマルフォイの母親に誓ったって言ってました。えーっと……確か『破れぬ誓い』をしたとかなんとかって――」
「破れぬ誓いをしただと!?」
またもシリウスの声が荒くなった。
『破れぬ誓い』とは、第3者を立てて結ぶ魔法契約で、その契約を破ると、誓いを立てたものは死んでしまうと言うシンプルかつ強力な魔法だ。
つまりスネイプは、ドラコを助けるのに命を懸けていることになる。
「リーマス、聞いただろう?やはり奴は黒だ!こちら側に寝返った振りをしてるだけだ!!」
「落ち着いてくれシリウス、今はハリーの話しを聞こう。ハリー、続けて」
「はい、それでマルフォイは、計画については教えられない、だから手伝う必もないって言ってスネイプを拒んでました。他にも当てがあるから、力を借りる必要はないって。それでもスネイプは、納得していなくて……」
「つまりハリー、君は確かにセブルスがドラコの計画に協力を申し出ていたって、そう言いたいんだね?」
「はい、間違いありません」
ハリーが断言すると、ルーピン先生は口元に手を当てて考えこんだ。そしておもむろに口を開いてこう言った。
「恐らくセブルスは、ダンブルドアの命令でドラコの計画を探っていたんだ」
「リーマス!!あの男を信用するのか!?」
「ダンブルドアはセブルスを信用している。理由はそれだけで十分じゃないか」
シリウスは納得していない様子だったが、それ以上何も言わなかった。ハリーは困ったような顔でルーピン先生に尋ねた。