第13章 【クソったれクリスマス】
俯いたクリスの顔を覗き込むように、ルーピン先生がそっと近づいた。それだけで、クリスの心臓は壊れるんじゃないかというくらい大きく鼓動した。
クリスは両手をもじもじと動かし、なるべく先生と目を合わせないようにした。
「は、はい……あの、その、だから……つまり……」
少しだけ、2人っきりになりたいです――。
その言葉がどうしても出てこなかった。クリスがいつまでも話を切り出せないでいると、シリウスが何か先生に耳打ちをした。
先生は少し笑って頷いた。
「あぁ――。それじゃあクリス、続きは私の家で聞こうか。モリー、構わないかい?」
「まあ、クリスマスですからね。その代わり、10時きっかりには帰ってくる事」
「あっ、ああああありがとうございます!!」
本当はもっと大人なムードを演出したかったが、贅沢は言ってられない。クリスが心の中でガッツポーズを決めていると、後ろからハリーが身を乗り出した。
「待って!!僕も行かせて!2人に大事な話しがあるんだ!」
「ハリーが行くなら僕も!!」
何故このタイミングで!?クリスは察しろと、ハリーとロンにチラチラ目配せしたが、2人はそれを軽く無視した。
こうして、3人揃ってルーピン先生の家にお邪魔する事になった。