第5章 お姉ちゃん?
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「あんずちゃん♡」
廊下で声を掛けられた。
声の先には私の愛しい人が立っていた。
「あ、お姉ちゃんグッドタイミング!
今日の放課後、予定無いんだけど
もし良かったら時間、あるかな……」
「モチロンよ!
むしろアタシから誘おうと思ってたの。
良かったらショッピングに行かない?」
「行きたい!です!」
「可愛いお返事ね、じゃあ放課後。
教室に迎えに行くから待っててね」
久しぶりにお姉ちゃんからのお誘い。
嬉しすぎて口角が上がる。
上がる口角を抑えようと自分の
頬を両手で包んだ。
「ふーん、ナッちゃんとあんず
放課後デートするんだ、楽しんでね」
聞き慣れた声の先を見るとお姉ちゃんと
同じユニットの凛月くん。
今日はずっとどこかで寝ていたのか
眠そうに目を擦りながら近寄って来た。
「そうだよ、お姉ちゃんとデートは
久しぶりだから楽しみで顔に出ちゃう」
「……付き合ってるのに
ナッちゃんの事、お姉ちゃんって呼んでんの?」
「変かな?」
「んー、変というか…単純に気になった?」
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