第4章 「 俺 様 」
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晃牙くんに嫉妬なんて感情が
あった事が驚きである。
いや、失礼なんだけど。
零さんはケタケタと笑い、一頻り
笑い終えてからやっと声を発した。
「"アレ"はまだまだがきんちょなんじゃ。
嬢ちゃんと一緒に正しい道を歩んで欲しいのう。
ま、ワガハイに嫉妬なんて本物の
がきんちょで、流石に困ったのう」
「………私はどうすれば」
「あんず、大神は朔間先輩と話ししてる
ところを間近で見るのが嫌なんだと思う。
強がってはいるが、人間誰しも弱い所はある。
正直な気持ちを伝えてやってくれ」
「おお、アドニスくん良い事を言うのう」
優しい顔でアドニスくんが言ってくれた言葉は
ストン、と自分の中に落ちてきた。
そしたら自分のやる事は決まっている。が。
「………UNDEADの練習、どうしましょう」
「ん、今日は申し訳ないがお開きじゃ。
また次、ちゃんと揃ってからお願いしようかのう」
零さんは眠たそうに棺桶の蓋に頬杖をついていた。
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