第3章 闇を統べる吸血鬼
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「さて、ところで嬢ちゃん」
グッと腕を掴まれ、
零さんに引き寄せられたと思いきや
そのままキスをされた。
「こんな時間に、女子が1人で男の所に
くるのは関心せんな、誘ったのは吾輩だが
何をされても文句は言えぬぞ?」
零さんの目はいつもより紅くて。
欲情した獣の様だった。
端から覚悟の上で来てはいるが
やっぱり色っぽくて照れてしまう。
いつもの様にククク、と笑う零さん。
余裕そうに私を更に引き寄せる。
「どうする嬢ちゃん、やめるか?」
「……私、零さんになら何されてもいい、
零さん、私に何してくれるんですか?」
「随分、挑発的じゃのう。
そんな嬢ちゃんには躾が必要かのう?」
そう言われて、噛み付く様にキスをされた。
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