第2章 ゆるキャラ先輩
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本当に言いづらかったであろう
過去の嫌な話をしてもらった。
「ゆるキャラの話をしてない先輩とか…
全然想像できないっす」
「自分でもそう思う。
だから、翠くんと付き合えて私は幸せ!」
いちいち可愛い事を言う。
言葉よりも、行動が早く出てしまった。
気づいたら先輩にキスをしていた。
先輩は一瞬固まったと思ったら
さっき買ってもらったトマトのゆるキャラ
みたいに、どんどん顔が赤くなっていった。
そう見えたのは、茜色の空のせいもあるけど。
「みっ、みみみ、翠くん!?」
「あんずさんが可愛すぎるのが
いけないんですよ。
…あんずさん、ずっと一緒にいて下さい」
「…………うん」
歯切れが悪い先輩を見たのは初めてで
可愛い、と言うより、愛おしさが勝った。
「どうしよ…翠くんに凄いドキドキしてる」
「俺だっていつまでもガキじゃ
ないんで、覚悟しといて下さい」
今度はキスだけじゃ済まないですよ。
本人には言えないけど
この茜色の空に誓った。
end