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第5章 「まともなお兄ちゃんだと思っていた性癖異常について」


「最後くらい言うこと聞いてくれッ」

 兄はそう言った。

「いいよ。のこと壊して」

 滅茶苦茶に抱いて欲しい。
 兄だから、 だから触って欲しいと思った。
 今まで誰かをこんな風に想ったことはない。

  と同じ気持ちになりたい。

「マジで…止まんなくなるぞ…」

 顔の近くまで迫る荒々しい獣の呼吸。
 興奮する様子がこちらまで伝わってくる。

「キスも、全部…最後までシていいんだな…」

「うん」

「ッ、…っ」

「お兄ちゃ」

 体をグッと引き寄せられてキスをした。
  の顔がすごく熱い。
 顔だけでなく体も舌も、触れ合っている所が全部熱い。

「ふ、ああ…ん…」

「…」

くちゅ くちゅ

 夢中で出した舌を絡み合わせる。
 キスのやり方なんてよく分からなかったけど、口の中が擦れるたびにゾクゾクしてしまう。

「お兄ちゃんにファーストキッス、奪われちゃった…」

「いや」

「?」

「それはもう俺が奪ってる…」

 キスした呼吸を整えながら見つめ合う。
 これは初めてのキスじゃない。
  は我慢できなくて小さい頃にしたと暴露した。

「お兄ちゃんのえっち」

「…悪い」

「の唇、どうだった?」

「柔かった…」

「じゃあもう一回シよ?許してあげる。ん」

  からの優しいキス。
 激しく貪り合うのもいいけどゆっくり見つめ合いながらするのも気持ち良かった。
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