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第13章 「溺愛オナペット」



「はぁ……」

 南国を感じる海辺で遊ぶ男女の背中。
 可愛い水着をきて、オシャレに髪を結んで、へこんだお腹をみせ、スラっと長い手足が飛び跳ねてハイタッチ。

「はぁ…」

「十回目」

「へ?」

「ここにきて溜息のでた回数」

 の隣りに屈んで座ったのは、男女六人で遊びにきたうちの一人で彼氏の親友・  。
 引き締まった体で日焼けをしていて、いかにもスポーツ万能そうに見えるがと同じで運動音痴。

 目の先には残りの四人がビーチボールで楽しそうに遊んでいた。

「なんでボールは顔面に向かって飛んでくるんだろう」

「 くんって近眼?」

「2.0」

「私より良いじゃん」

「バカにしただろ」

「してない」

「笑った」

「笑ってない」

「笑った。さっきよりイイ顔してる」

「…!」

 目があってフッと笑われる。
 彼氏の はのん気に仲間と遊んでおり、親友の がわざわざ励ましに来てくれたのだろうと思う。

「ごめんね。なんか一人だけ暗い顔して」

「ネガティブ発想、病んでるね。ありがとうって言われたら聞き流そうって思ってたのに」

「だったら余計にごめん」

「俺に謝っても解決しない。 のことだろう?」

「………」

 当然のようにあててきた。
 さすがは親友。
 よく見ている。
  からなにか聞いているのだろうか。

 問題が問題なだけに波の音が異様に大きく感じられる。

「海、入らないか?」

「え?」

「あいつらはあっちで楽しんでるし。気晴らしにボートで散歩でもしようよ」
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