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第10章 「トリップしたら異世界エジプト王宮だった」
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それからあの一回じゃ済まされず抱かれ、何時間ぶりに服に袖を通した気分になる。
「す、透けてる…」
大切なところは透けてないが全体的に肌が透けてしまっている。
白いワンピースのヒラヒラしたお召し物で、エジプト柄布のベルト、金色のアクセサリーを装飾させられ、最後に花冠を乗せられる。
すべてを着終わると がやって来た。
「我が愛しの花嫁!似合っているな!」
「ありがと…。これすごい可愛い花嫁衣装だね」
「いや。それは普段着だ」
「へっ?」
「花嫁衣装は別に用意してある。それまで夜の楽しみだ」
「えっ……」
その夜っていつの夜?
「ん。どうかしたか?」
「その夜って…今日?」
「当たり前だ。城はいま祝いの席を準備するため大忙し。誰にもすれ違わず、閑散としていて不思議に思わなかったのか?」
「ここに来たの初めてだから…」
成程、そうか。
ひと気がない理由がようやく分かった。
当たり前だと言われたが王子がこの国のルールのため、この先の未来を柔軟に受け入れていくしかあるまい。
「俺と、結婚したくはないか?」
「えっ!?なんでっ!?」
「落ち込んだ顔をしている。それに、こんなに愛し合っているのに日を伸ばすことに何の意味がある?と俺は運命に繋がれている。宿命なのだ!!婚約の儀を果たせばいつでもどこでも飛んでゆける。子孫を残しても下界のような妻とはならず、一生俺の女になるのだ」
「妻ではなく女に…」
「それまでは無暗に出歩くなよ。城内でもだ。分かってくれたな?」
「分かりました」