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【鬼滅の刃】何か言って 義勇さん

第1章 出会い


カンッ!!ガコンッ!!

気温の高い夏の日に、木刀と木刀とが
ぶつかり合う音が、道場に響く。
中には、音柱の宇髓天元と、その継子
である、徳谷弛央梨がいた。

「ふんっ!!そんな地味な攻撃じゃ、
かすりもしないぞ!!」

「………はぁっ!!」

「おわっ!?」

私は、師範が少しだけ油断したスキに、
師範の喉元へ木刀をつきつける。

「やはり派手に強いな、弛央梨は。
そこらへんの男隊士達よりも強い」

私の師範である、音柱の宇髓天元様が、
私がつきつけた木刀を下ろして言った。

「あ、ありがとうございます。師範」

私は臆病だ。それなのに、この方の
継子になんて、なってよいものなの
だろうか。

私は、目の前で両親を…鬼に食われた。

『弛央梨!!地下に隠れるんだ!!
絶対に、出てくるんじゃないぞ!!!』

『弛央梨…、ごめんね…ごめんね…』

まだ齢十七だった私は、地下へと
向かい、鬼に見つからないように隠れて
いた。あの日の両親の悲鳴は、まだ耳に
張り付いて離れない。

やがて静かになり、両親は無事か、と
扉から中を覗いてしまった私は、絶句
した。

中には、変わり果てた姿になっている
母と父。そして、それをぐちゃぐちゃと
音を鳴らしながら食っていたのは、
紛れもない、鬼だった。

私は急いで地下の奥へと戻り、身を
隠した事を思い出す。その時に、鬼への
復讐を誓ったのだ。絶対に鬼をこの
世から消して平和が溢れる世界にする
んだ…と。

その後は、あっという間だった。

たまたま、元音の呼吸の使い手であった
育手に拾われ、半年間戦い方を学んだ。

私が習得したのは、音の呼吸ではなく、
音の呼吸の派生である、謌の呼吸。
そこで、七つの型を教えてもらった。

私は身体が軟らかい上に軽く、動きが
素早かったので、360度どこへ振っても
敵へ攻撃の届くよう、二刀流にした。

ただ、女性という事もあり、普通の
刀を二刀流で扱うのは少々難しかった
ので、刀を少し細くし、軽くして
もらった。刀の色は…内緒だ。

少し時系列がずれてしまったが、
育手のかたに戦いを学び、最終選別へと
向かい、私は無事合格した。

私はまた目の前で人が亡くなるのが
嫌で、他の隊士達を守りながら戦って
いたけど、結局守れたのはたったの五人
ほどだった。
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