第2章 Sketch1 --莉奈
私は口を大きく開けて、莉奈に付けた傷ごとぱくりと彼女の肌を覆いました。
まだ刺さっている歯を細かく震わせ、人体の健康な反応として彼女の傷がすぼまろうとするのを拒否する様に、細胞たちへと命令します。
するとそれらは素直になって私にこうべを垂れるのです。
そうやって、私は流れ落ちた液体を口内に満たし、赤い命の素を少しずつ少しずつ、嚥下します。
私の犬歯にはストロー状の管が中を通っており、彼女の肌を通ってその細い血脈に、媚薬をぽたぽたと点滴の様に落としていきます。
血液。
どんなワインよりも上質な、その豊潤さを味わうのを中断するのは困難な事です。
莉奈の体が細かく震え、私の背中に爪を立てました。
薄い下着の生地は潤沢に水分を含み濁って色を変え、張り付いて彼女の形状を浮かび上がらせます。
閉じた貝状の性器や、その上で既に尖りきっている真珠をです。