第2章 Sketch1 --莉奈
血の香りに混ざりもう一つ、もう10センチ足らず上の所から、明らかに甘酸っぱい雌の匂いも私の鼻腔は捉えているのですから。
それに気付かない振りをして、私は作業を進めます。
ぴちゃぴちゃと舌で舐め、薄い肌を両側から指で軽く引き伸ばし、垂れない程度にぺろりとそれを掬います。
「は……あ……は」
莉奈の口からはため息の間、甘ったるい吐息が漏れています。
頃合いを見て、私はそこに狙いを定めます。
普通の人間よりも発達している私の犬歯は、欲による興奮を覚え、更に伸びて針のように尖ります。
その先を莉奈の上に置くと彼女の腰がゆらりと動きました。
膝とその片方の腿を手で固定し、ぞぷ、と薄絹の肌に食い込ませます。
「あぁっ……!」
どんな時でも、本当の快楽というものはある程度の痛みを伴うものです。
莉奈は体勢を維持出来ずに、体を折り曲げ私の背中に手をついて、こちらの着ている衣服を握り締めている様でした。
根元の深い部分までずぶりとそれを収め、しばらく慣らしてから注意深く引き抜いていきます。
その隙間からは新しい血液が滲み出し、そこで初めて私は薄目を開けました。
腫れた肌に打ち込まれた二箇所の穴から、じわわと円状に大きくなっていく鮮血。
一方で、彼女が身に付けている下着からは、透明な液が一筋の雫となり、内股を伝って流れていきます。