• テキストサイズ

SketchBook【R18】

第9章 Sketch3 --また冬に会おう※



雪が積もったその翌々朝。

その若い男は次なる家を探しに行った。
細い筋を割る様に雪道をいくその男の後ろ姿を窓際から見送る。


元の世界に帰れる女は滅多に居ない。
男の場合はそうでも無いが、別の意味で難しい。

そもそも閉じてしまった心を持った者を受け入れる、ここの住人の……いや、人の世界でも、そんなものは簡単に出来る事ではないのだ。

それでも私は願う。
彼らにひと握りの希望があるのなら。
前へ進む、そんな勇気を持つ者たちに。



「……もう戻って来ないのかと思っていたよ」


壁にもたれたままの私の背後から、もう聞き慣れた低音のよく響く声がした。


「何でだ? ……流石に冷える。飲み物を貰うよ」


キッチンに早足で入って来たケリーが身震いしながらコンロに火を付ける。


「私はここでの自分の行動を恥じた事は無い」

「いきなり何の告白だ? じゃ、俺もしようか。愛してるよゴーダ」



/ 184ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp