第9章 Sketch3 --また冬に会おう※
「……ちょっ、と待て……」
今私は、彼の下で虫の息に近い状態で枕に顔を埋めている。
「何だ、同族が初めてって訳でもないだろう」
ケリーは動きを止めて身を屈め、私の頬に口を付けてから一旦その体を私から離した。
ようやくまともに息をつけた私はシーツを胸元まで引き寄せてから乱れた髪を纏めた。
「一日数回からの交尾をし射精に何十分も掛ける狼は私の同族じゃない」
「それでも近縁には違いないし、ここの住人は所詮人とのハーフみたいなもんだからな。そこまでは酷くない」
と言いつつも、彼のそれは硬く盛り上がり相変わらず満足していない様子を物語っている。
「現に動物ん時みたいに入れたら抜けないって訳でも無いし……だけどあんたのは堪んないな。熱くって火傷しそうだ。 並の男なら骨抜きだったろう?」
何故か愉しげにそんな事を言う。
「そういうのは余り考えた事は無い」
「あんたみたいに知性が勝ちすぎるとおざなりになるもんだ。そんなにいちいち構えなくていい」
「構えてなんか……わっ!?」
ケリーは私の胸の下に腕を入れ、引き寄せると胡座をかいている自分の膝の上に乗せた。