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SketchBook【R18】

第9章 Sketch3 --また冬に会おう※



雪が降り海から吹く風も相まって比較的厳しいここの冬は、飲食店や宿屋などを除く大概の仕事が仕舞いとなる。
私も冬場は小さな作品を作ったりする、せいぜいその程度だ。

少し距離を離してもう一度ケリーを見た。

私に無遠慮に見られているのを気にも留めず頬杖をつき微笑んでいる。


「私のやる事に口を出さないでいてくれるなら」

「俺たちの人生は長い。今改めて会って、あんたは俺にとって世界に一つとない、宝石の様な存在だと確信した。それなりに扱う事を約束するよ」


「そう願いたいものだね」


すぐにそんな台詞を吐ける男には二種類いる。
頭の軽い馬鹿か自信があるのか。
彼は私から決して目を逸らさなかった。
見られる事を恐れない彼は後者なんだろう。

それはさておき、害にならないならこちらは構わない。

彼に背を向けて家の玄関に向かって歩き出した私に、ケリーは尻尾でも振りそうな嬉々とした様子で後を追って来た。




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