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SketchBook【R18】

第2章 Sketch1 --莉奈



まあ、そんな彼女の体質のお陰で、最初は味見だけのつもりだった彼女の元へ、こうやってかかりつけの医者の様にたびたび呼び出される羽目になった訳ですが。


私が素直に目を閉じると、莉奈は両手で私の手を取り、その部分に持っていきました。
瑞々しい肉の上を覆う、薄絹の様に滑らかで頼りない皮膚。
香りの方向に指で探っていると熱を持った患部に触れたらしく、彼女が小さな声を上げました。


「……痛ッ」

「特に肌の柔らかい部分は弱いから、傷を付けない様に隠しておく事と、いつも言ってるでしょう? 嫁入り前の娘の肌に膿んで跡でも残ったらどうするんです」


莉奈は小さな虫刺され位でも、丸一日も経てば真っ赤に腫れて炎症を起こします。
そんな心配をお節介とばかりに、莉奈がぷいっと顔を横に向けた気配がしました。


「言い方がレニー、オッサン臭いよ」


私はその言葉に鼻白みました。
おっさんどころかもう400歳を超える私に比べたら、莉奈なんかまだ受精したての卵レベルでしょう。


「そのオッサンに股触らせてる淫乱女は誰ですか」

「………っそんな言い方」

「だって実際そうでしょう? 内腿ですよね、ここ。 多少効き過ぎても知りませんよ」


見えずとも羞恥に頬を赤らめて、唇を噛んでいる彼女の顔は想像がつきます。



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