第8章 Sketch2 --楽園
────たまらない
他の女とは比べ物にならない。
この哀れな妹は知らない。
父親の事も含め、彼女を犯した数々が全て自分が仕組んだ夢だった事。
彼女に植え付けた、男を喜ばせるための性技。
意思に反して男を求めてしまう体。
毛色の異なる自分に、元々魔力の高い父親と妹のミーシャが不信感を持っていたのは分かっていた。
思春期でとりわけ感受性の強いミーシャは、リュカを毛嫌いしていた。
ミーシャの胎内に結んだ自身を淫らに変える淫術。
夢に入り込み姿を変えて彼女を犯す事。
リュカは物心がつく頃に気付いていた。
彼らと違い、自分にはそんな能力しかない事を。
最初はただの遊びだった。
もう数年もすれば彼女は光り輝く美しい女になり、知識だけは豊富にある俺の元で学べば優れた術者にもなるだろう。
そんな事も思っていた。
ミーシャを離せなくなったのは誤算だった。
大人しい人形程度と思っていたミーシャが自分に怒りをぶつけてきた頃からだ。
二人で暮らす気も、夢の中で散々弄んできた彼女が成熟するまで待つ気も最初は無かった。
堕ちて溺れても尚、虚ろに染まり濡れるこの瞳のなんと美しい事か。
「これからは毎晩お前を抱いてあげる」