第8章 Sketch2 --楽園
その言葉が呪文の様に彼女の体と脳を犯していく。
「リュカ……っああ、う」
全てを、忘れる。
父親にされた自分が処女な訳が無い。
そんな事も、ミーシャにはどうでも良くなった。
痛みさえも、もうどうでも良かった。
リュカがもう片方の胸の先に舌を伸ばし、たまらずミーシャは彼の髪に指を差し込んだ。
「そこも噛んでっ……」
ただ愛する人と一つになっている。
私はそれで、目が眩むほど幸せなのだから。
「愛してる」
リュカがそう囁きながら、ミーシャの体を開いていく。
彼女の鳶色の瞳に恐れや苦痛は無かった。
その縁からは快楽による涙が流れ出ていた。
「ナカが感じるんだろう? ミーシャの事は俺が一番分かってる」
「ん、……ん…ふ、あぁあっ…リュカ、ん。 感じ…る」