第4章 Sketch2 --夢魔※
「まだ月のものも来ていない癖に、随分と男をたらしこむのが上手いそうじゃないか?」
それでもまだ迷いのある表情をした男が下穿きを脱ぐとゆっくりと寝台に近付き、少女の脇の下に手を入れ立ち上がらせた。
はだけた彼のシャツの下からは赤黒い男根が垂れていて、少女は反射的にそこから目を逸らす。
男のてのひらには、僅かに少女の震えが伝わってくる。
やはり主人はまだ初心い女を自分に当てがったのだ。
若干面倒という気がしないでもない。
とはいえ確かに生まれ育ちは良いようだ。
よく見ると、その少女は貴族的といっていい清楚な顔立ちで、質素な膝までの下着のみを身に付けてはいたが、決して汚らしいとか下品だとかそんな印象は持たなかった。
家人が亡くなるなどの理由で家が没落し、女の子供が娼館などに売られるのはそう珍しい事でもない。
男はほんの少しその少女に同情した。
「ミーシャといったかな。 さあ、咥えてくれ」
ミーシャはそろ、と控えめに男を見た。
この前の男よりは、優しそうだと彼女は思った。
加虐趣味のあったその太った男はミーシャを堪能したあとに、それでも足りずと張り型や用紙を留める木鋏で彼女の体を弄んだ。
けれど全員やる事は大して変わらない。
そして私は、逃げられない。
ミーシャは目を伏せせたまま彼の元に跪き、男に奉仕を始めた。
「お……っ」
男が僅かに息を漏らして腰を逸らした。