第3章 1章
『っ……べたべた』
思ったより汗が多かったみたい、Tシャツがベタベタになっている
月「、着替えを持ってきましたよ」
服を脱ぎ身体を拭き、声のする方に目線を向けると背中に着替えをのせた月がいた
『月、本当に器用だね…』
月「ふふ、変化で人間にもなれますから」
『………それは、』
月「分かってますよ、私達自身の姿…ですよね」
もそもそと服を着ながら、ボソボソと呟く
『私は……二人、のそのままが…好きで、でも化けた方が…親しみやすくて、でもそれだと余計にっ…化け犬って…』
月「ふふ、大丈夫。分かってますから…」
彼らだって変化の術は使う、ご飯を作ったり一緒にお風呂に入ったり、任務の時だって使う。寝るときはいつの間にか犬の姿に戻ってる
『ん……ごめん、』
でも私は犬の姿の方が好きだ、嘘偽りない姿だから…だから、この姿でみんなに認めてほしい
夜「おい!月、!さっさとしろ、朝飯冷めるぞ」
扉が雑に開けられ、長身の褐色イケメンがいる
『夜…ごめんっ、もうちょっと』
月「こら、夜。乱暴に開けないでください」
身支度をパパッと整えて、扉に近づく
『あれ…?夜、髪短くなった…?』
夜「あ?…あぁ、黒濃くしたし邪魔だから短くした」
『かっこいい…あ、犬の方も短くする?』
そう問いかけると、夜は頬を少し赤くしながら
夜「いい…お前に触ってもらえねーだろ」
と小さな声で呟いた。かわいい…夜
夜「チッ…さっさとしねーと朝飯食うぞ」
『えっ…待って、夜っ』
そんな風に言葉を交わしていると、後ろからくすくす笑い声が聞こえた
夜「おい月ッ!てめぇ笑ってんじゃねーよ!」
月「ふふ、すみません。可愛らしくてつい」
夜「うっせーっ!飯なくすぞ!」
月「それは困りますねぇ…夜のご飯は美味しいですから」
『…………』
夜「あ、おいっ!もニヤニヤしてんじゃねぇっ!」
『えっ……そう、だった?』
月「はいはい、朝から騒がしいですよ全く。、早くご飯食べてしまいましょう」
いつも通り…いや、いつもより少し賑やかな朝で今日を始めた