第3章 1章
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『ぁ…***兄さん!』
そう声を出しながら、長身の男性に駆け寄っていく少女の姿を私は見ている
***「そんなにはしゃぐと転ぶぞ、すまない…長い間来れなかったな」
『…仕方ないよ…私、監視されてるんでしょ?』
あぁ…この人は誰だっけ、これはいつだったっけ
***「あぁ…オレは、お前と親しくなりすぎた」
『………***兄さんもそう言って、私のこと…』
言い切る前に少女は口を紡いだ、男性は悲しそうに目を伏せた
***「……すまない」
その一言だけをこぼし、去ろうとする彼に少女は
『…待ってっ!ヒグッまだ、何も出来てないっ…グスッお話だって終わってないっ!ックだから…だからっ』
ボロボロと涙を流す少女に、手招きをする彼。少女は涙を流ししゃくりあげながら近づく。充分近付いたら彼は少女と同じ目線にしゃがみ
***「その話も、出来ていないことも全部…また今度だ」
そう言い、額を二本の指で小突いた
『や、くそく…っ、約束だからねっ!グスッ…嘘ついったら、ついたらっ…』
***「嘘はつかない、もし嘘になったら…お前がオレに針を千本飲ますんだぞ?」
『う、んっ…ウグッ、うんっ』
涙を流しながら頷く少女を見て、彼はフッと微笑み
***「本当にすまない、でも…楽しかった。ありがとう」
そう呟いて、今来た道を戻り始めた
『ぜったい…約束だからねっ!グスッ、ぜったいだからねっ…!ヒグッ』
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『イタチ兄さんっ!!』
ガバッと起き上がる、汗が滲み、息も上がっている
はぁ…はぁ…と息を整えているとバタバタという足音が聞こえる
夜「オイッ!どうした!?」
月「っ!大丈夫ですか!」
『ん…大丈夫……ちょっと、ね』
夜「チッ…またイタチの夢かよ」
月「顔を洗って冷やしましょう、痕ができますよ」
『うん……ありがと、月、夜』
とりあえず着替えようと、ベッドから降りた