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僕と彼女の声帯心理戦争

第3章 【第1章】嵐の前の静けさ Day1


「今度からアタシらで葵のファングッズ作るからね!女子会だ!!そん時位は邪魔すんじゃないよ!!」
「おお!!そうなのか!?って『女子会』ってなんだーーーーー!!!?!?」
「アンタ、女子会も知らないのかい!?」

説教と女子会の説明やら今後の方針を大樹に説明するニッキー。

すると羽京がつかつかと葵の元に近寄る。
「これで良かったんだね?」確認する様に問いかけられた疑惑の声に、笑顔で返した。

ーー計画通り、という顔で。

******
初ライブの翌日、夕方。

ニッキーと大樹達を仲裁、取り敢えず女子会兼ファングッズ作製会の話を纏めた。
その後、羽京より朝早く起きて監視を掻い潜り朝食作りに参加した分の睡眠を取った。
晩ご飯も料理手伝う、と葵が言うと羽京も一緒に着いてくる。

「羽京君、あれ何です…?」
「あれは……ライブの客席取りかな?」
あはは、と笑う羽京。目の前では、夕食の準備そこそこに、昨日ライブをした近辺にどう見ても偏ってみんなが座っている。何処からどう見ても、葵ーー『Aonn』のライブ待ちの様だ。

つかつか、と遠慮なく立ち寄る葵の姿にわあ、と歓声が上がる。
「アオさん!今日もライブやるんですか!?」
「司君に一応確認してからですね~」
「そうなんですね!」「楽しみっす!!」

「それなのですが~、取り敢えずまだご飯出来てないので、良かったら一緒に手伝いませんか?」

「「「「えっ」」」」

「私も一緒にご飯作るので~!沢山お手伝いさん居ると嬉しいです」ニコッと笑いかけると、それまで座っていた面々がそうですよね!アオさんの言う通り!俺らも力になります!!
と口々に立ち上がり準備に向かう。

……有り体に言ってしまえば、「準備もせずに出待ちするな」だが流石プロ、穏便に済ませている。

(こういう所は普通に尊敬出来るんだけどな……)

羽京はそれを見つつ、昼間の事を思い出す。あの監視役のニッキーを絆し杠と完全に仲良くさせた。大樹とも女子会の話をきっかけに、『大樹は真っ直ぐないい人』というアピールをしている。さり気なく『監視役』と『監視対象』の距離を縮めている。

本来なら司に報告案件すべき案件だが……。報告した所で、彼女を処分するとなれば、先程のファン達が黙っていない。せいぜい厳重注意とかぐらいだ。
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