第3章 【第1章】嵐の前の静けさ Day1
「わ、私も女子会またやりたいな…!!」杠の賛同。
わあっとみんなで盛り上がる。
監視役と監視対象。異様な面子の女子会であり、あくまで関係は崩さない。それでも。
ーーせめて、心の繋がりくらい、あってもいいだろう。
「あっ、じゃあじゃあ!」疑問符を浮かべた2人が私を見る。
「最後の締め?でなんか円陣組むやつやらない??なんかこう…ふぁいっ!みたいな!」
シーーン
場が静まり返った。
流石に突飛な案を出したかと思ったが、プッとニッキーが笑う。
「アンタ、面白い事言うねえ!いいじゃん、やろう!」
「ウンウン!私もやる!」2人とも突然の女子会ぽくないある意味『司帝国らしい』体育会系のノリに笑っている。
ーー良かった。2人が笑顔に戻った。
「じゃあ、円陣組も~!」
「あ、その…アンタの口調だけどさ」ニッキーが言いづらそうにしている。
「……アンタ、もしかしてワザとふんわりしたのやってたのかい」途中から外してたのがバレた。
「……うん、そうだよ」
「顔出し用のキャラ…みたいなのかな。ごめんね?プロなのに裏事情見せちゃって」
「いや…少なくとも、アンタは今の口調の方がなんか自然で、話しやすいよ。それに、こんな石の世界でもプロやろう、って筋通してる方が凄いよ」
くしゃくしゃ、と頭を撫でられる。
その言葉がひどく心に染み入った。
「ありがと、ニッキーちゃん。それじゃ、締めの円陣、行きまぁーす」
「掛け声が雑だね!?」「気にしたら負けだよ!」
葵ちゃん、何それ…!本当いい意味でアンタ程よく雑だね~!
そう言いいつつ、3人でギュッ、と肩を組む。こんなの、学生時代の運動会でしかやった事ない。
ましてやとっくに成人済みの自分がやるのはーー
正直、かなり恥ずかしい。
2人はふふっ、と懐かしそうに、私は違う感情で笑った。
「掛け声はアンタに任せるよ、言い出しっぺだしね」
「私ですな!了解!」すーっと息を吸う。
「これからの乙女魂の安寧を祈ってぇーーー!!
我ら、ここに結束する!!!ふぁいっ!!」
「「ふぁいっ!!!」」
何乙女魂って!とその後盛大に爆笑されたが、『女子会』に魂はだいじだよ!だってコレ無いと参加出来ないからね!と言って笑かす。
ドッ、と湧くその場にああ、良かった、と心底胸を撫で下ろした。
ーーこうして、波乱の女子会は幕を降ろした。
