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僕と彼女の声帯心理戦争

第3章 【第1章】嵐の前の静けさ Day1


「ファングッズ……!自分で作った事無いのでやりたいです~!……じゃあ、ニッキーちゃん!ファン活動の先輩としてなんか案あります!?」今度はニッキーの手に手を重ねる。これで会話する人が偏らない。

「えぇ!?アタシがかい!?」
「はい~!!純粋にリリちゃんの事を思って追ってきたファンのニッキーちゃんに聞きたいのです!私はリリちゃんファンですが、メインは音楽活動なので…その辺はどうしたらよいかと…」
しゅーん、と項垂れる。

「そうだね……あ」ニッキーが困ったようにクルクルと部屋を見渡すと、机の上にはリボンがあった。
杠やニッキー達、女性組の洋服に使われるリボンである。

「…もしかして、リボン?」ニッキーの意図を汲み取った杠が呟く。
「あ、ああ!……アレなら、身に付けたり出来るしいいなって思ったんだ…。ほら、スポーツタオルとかTシャツとか色々あるだろ?でもあんまり重ばる奴だと、そういう訳にもいかないし……」

「なるほど、リボン……」
息を飲んで見守る2人を前に少しだけタメを作り「アリですな!!」と言う。

リボンを目立つ様に置いたのは私だ。リボンは女性服しか使わない。武力至高のこの国では、基本的に女性の復活率は低い為、目立たない所に置いてあった。ニッキーのリクエストを聞く前に手芸道具見せて!と言った時にあちこち触って若干荒らしたのだ。

ごめんね杠ちゃん。君の部屋を荒らして。後で片付けるから!!と内心で土下座して話を進める。

「ありがと~ニッキーちゃん!!」ニッキーに抱きつく様な格好。「あああっえっ!?いや、その、大した事は……!!」
「ううん!私もリボン、いいと思うです!」

ニッコリ笑うと、ニッキーはそ、そうかい…?と呟く。

「そうかい…。その、ついでなんだけど…色、とか染めるのはどうだい?」
「……?色です?」首をクイッ、と傾げる。
これは自身のトレードマークの技である。
「ああ……アンタっぽい色っていうか」
「そうだね、葵ちゃんなら目の色とかどうかな…?」杠が提案する。

「蒼色かい?」「うん、蒼色なら染められるかなって」
えへへ、と少し照れたように笑う杠に、裁縫はアンタ担当だもんね、とニッキーが頷く。

「なるほど~!なら蒼色のリボンを配る……って事でいいですかな!」
総括すると、2人から同意の声。
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