【ヘタリア】魔法少女×枢軸×連合=カオス【APH】
第3章 仲間になった味方がヤンデレに見えるのは気のせいですか
「さぁ次はヒーローの仲間と悪役を決めようじゃないか!」
ドドンッ、と効果音を鳴らすようにアルが言った。
菊がおずおずと尋ねる。
「念のためお聞きしますが、ヒーローはどなたなんで――」
「菊ともあろう者が愚問だなぁ、もちろんっ、この俺、アルフレッド! F! ジョーン――」
「くじ引きにしよう」
アーサーが真顔でアルを遮った。
頷くアルと私以外のメンバー。私以外のメンバー(ここ大事)。
おそらく公正なるくじ引きの結果、ヒーロー側枢軸(赤)、悪役側連合(黒)ときれいにわかれた。
枢軸側というのが不幸中の幸いかもしれない。もしくは不幸中の不幸(原因:本田菊)。
当然不満で頬を膨らましたのはアルだ。
「なんで俺が悪役なんだい!」
アーサーがすかさずつっこむ。
「自分のくじ運を呪えよ」
「お兄さんも呪うわ」
「奇遇だな俺もだ」
険悪な笑顔で睨み合うフランシスとアーサー。お前らほんと仲いいな。
「何を仰いますアルフレッドさん! 悪役素晴らしいではありませんか!」
「ヒロインと結ばれないじゃないか!」
菊は憤慨する。
「悪役と恋に落ちるヒロインだっています! いいじゃないですか、本来は刃を交えなければならない関係なのに、惹かれあってしまう二人! 戦うという障害のないヒーローとヒロインでは味わえない切なくも激しい恋心!! さらにヒーローが加わって三角関係になればなお良し!!」
なにかのスイッチが入ってしまわれたらしい。
普段では見られない早口で、悪役という立場の美味しさをまくし立てている。
アルは最初こそ疑わしい表情をしていたが、いいように洗脳されてしまったのか。
最高にCOOLな悪役になるぞ、とばかりに志を新たにしていた。
アルが悪役を張り切っているという時点で全てが詰んでいる気がする。