【ヘタリア】魔法少女×枢軸×連合=カオス【APH】
第2章 マスコットキャラがグロテスクなのはなぜですか
「なにか忘れてないか」
そばで突っ立って見ていたアーサーが、どこか嬉しそうに言った。
「えぇ本当に人として大切なことを忘れてますね」
「だろ! しかし案ずることはない!」
突然大仰に叫びだしたかと思えば、アーサーは懐に手を突っこむ。
なにかと思っていると、ズバッ! と“ソレ”を取り出し、ニヤリとした。
嫌な予感を覚えていると、現れたブツ――見慣れた星の杖が差し出される。
「特別に一番お気に入りで一番いい杖を貸してやる」
「ありがとうすごく嬉しくない!」
そんなことだと思ったよファッキンフェアリーカークランド!!
というか『一番お気に入り』って、あのスタースティック複数所持だったんですね……どうでもいいけど……。
きらきら目を輝かせ、いい笑顔をするアーサー。
根負けして私は杖を受け取った。
「家に帰れば新しくお前用に作ってやる。……あ、べっ別に特別な意味はないからなっ!」
「はいはいどうもどうも」
「あっ、待てまだある!」
私が視線を逸らすと、アーサーが待ったをかけた。
もう勘弁してという思いでいると、少しの躊躇のあと、恥ずかしそうに懐から――
「ぎゃああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!?」
ポケットから顔を出したものに、たまらず私は絶叫する。
衣服から出現してはいけないものが、そこにあった。
アーサーの手の上でうねうねしているモノ。
それは、某風の谷のオウムの手乗りバージョンのような、とにかく足がたくさんうぞうぞ蠢いていて、表面がなんか濡れて光っていて、眼球はガラス玉みたいでリアルでないもののギョロリとしていて、とにかく総毛立つような“虫”だった。
姫ねえさまも「きもい」と顔をしかめるレベル。
「怯えていただけなんだよね。私が」そう言いたいレベル。