【ヘタリア】魔法少女×枢軸×連合=カオス【APH】
第1章 変身すると幼女になるのはなぜですか
「ちなみに魔法少女モノさ!」
「待て待て待て待ておかしいでしょなに言ってんの!?」
ハッハー! と軽快な笑い声を立てるアルに向かって叫んだ。
まさかの激しく嬉しくない主人公抜擢に頭が混乱する。
しかも今まで“否決”と心をひとつにしていた会議場の面々に、“可決”の色が見えた。なんという裏切りだ。
「なぜ私が主人公、しかも魔法少女って……ねーよ!!」
頭を抱えると、アルは駄々っ子のように言う。
「え~キュートな衣装を着たドイツ国民全員のドタバタな活躍が見たいんだぞ!」
「実に意味がわからない」
冷徹な視線を向けるが効果は0だ。
「なにそれ楽しそう! お兄さん賛成!」
「黙れ変態中ボスポジション!!」
「よっしゃー! それじゃ俺はドイツ国民全員に力を授ける古より封じられし――」
「黙れ!!」
「魔法少女モノとは、重火器に武装した少女がRPG-7や88式地対艦誘導弾やベレッタM92FSを使って敵を倒す――」
「そういうのもいるけどだいぶ違う!!」
「さんせーさんせー! 魔法少女モノって、かわいい女の子がパスタ作ったり、ジェラート食べたりするやつだよね?」
「ちっげーある! 飲茶や小籠包や杏仁豆腐を作るやつある!」
「かなり違うしもはや魔法少女の必要性なくね!?!」
「僕も賛成ー! 魔法少女モノって、頑張る主人公が手足もがれて裏切られて嬲られて精神が疲弊してぼろ切れみたいになったところをボスに(ピ────)されるジャンルでしょ?」
「さらに全然違うやめてください!!!!」
えー? と残念そうに首を傾げるイヴァンさん。恐ろしすぎるわ。会議場全体もだ。
「よーし決まりだな!」
「本人の自由意思は! 主権は!!」
「反論は認めないぞっ!」
その語尾には星がキラーンと飛んでいどころか、流星群がほとばしっている。
涙をこぼしそうになっていると、菊に背後から肩に手を添えられた。
優しく安堵させるような手つき、にっこりとした微笑に、頭のどこかで「オワタ」と警鐘が鳴る。
「全て、お任せ下さい」
「いやああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
……そして、今に至る。